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広告のチカラ。豊島園の閉園に想う。

豊島園、有終の美

2020年8月30日 朝日新聞見開き30段の新聞広告

デパートの閉店ニュースが多く流れる中、94年の歴史に幕を降した遊園地が東京の練馬にありました。

関西ではあまり馴染みが無いかもしれないけど、サンダルで気軽に行ける遊園地ー豊島園。
「ひらパー」のような感じでしょうか。
世界最古のメリーゴーランドがあったり、
日本初の流れるプールがあったり、
絶叫アトラクションがあったり、
と古さと新しさが混沌と共存した
大人にも子供にも楽しめる遊園地でした。

広告のインパクトで話題に。

1986年代に「プール冷えてます。」のキャッチコピーとペンギンのイラストと言うシンプルな構成のポスターが登場し、豊島園の広告キャンペーンは業界人(古っ!)の注目の的に。

インパクトのある広告は、“マーケティングに裏付けされたギリギリのあざとさ“によって成立する。そんな時代背景もあって、日本の広告史上で必ず話題に上がる広告キャンペーンを展開してきました。

広告(コミュニケーション)の中心がグラフィックやムービーから、WEB・SNSに移行した後も『インパクト』を追求している。
エンターテイメントの王者を狙う企業の姿勢に感動すら覚えます。

ラストの広告(Thanks。)もSNSですごく話題になっています。バズるツボを押さえた広告です。他社の広告まで、同園の応援メッセージのような。

でも、動員は減っていたんでしょうね。
世の中のレジャーのスタイルが変わり、子連れで行ける遊園地のスタイルも変わり、少しづつ忘れられて行ったのかもしれません。

広告のアーカイブで、時代背景を知る。

http://www.toshimaen.co.jp/guide/ad.html

1983年の「プール冷えてます。」から「Thanks。」まで。
ここに、同社の広告アーカイブが掲載されています。
ナンセンスで、ユーモラスで、夢も魔法も感じられないけど(失礼!)記憶に残る。
広告は文化と言われた時代から脈々と続いているキャンペーンに脱帽です。

ニーズとウォンツ。
興味のない人に、興味を持ってもらうのが広告の役割。
ストレートに事実を伝えるだけだと、伝言になってしまいます。表現というエッセンスを差し込むことで、興味を持ってもらうことができます。
神戸クリエイターズノートでは、広告に携わったクリエイターのお仕事も紹介していきます。

この記事は、豊島園の広告ではありません。(閉園しましたから)